小規模企業共済の貸付制度の手続き方法を解説!審査不要で実際に借りてみた流れ

閑散期や売り上げが減ったなどの理由で事業資金が足りなくなり、資金繰りに悩んでいる事業者は多いのではないでしょうか。

小規模企業共済の貸付制度は審査なしで借りられることから、銀行に貸し渋りをされた事業者でも融資を受けられます

ただし加入期間や掛金総額によって限度額が異なることから、申し込みのタイミングによっては希望額を借りられない可能性があります。

小規模企業共済の貸付制度でお金を借りる際に知っておきたい条件と限度額について、実際に融資を受けた管理人が詳しく解説していきます。

この記事でわかること
  • 小規模企業共済の貸付制度は自分の掛金から融資を受けられる仕組み
  • 一般貸付なら申し込んだその日のうちに事業資金を借りられる
  • 貸付限度額は掛金の7〜9割!最大2,000万円まで対応してもらえる
  • デメリットは1年以上加入期間がないと申し込めないこと

小規模企業共済の貸付制度とは自分の積立金を借りられる制度のこと

小規模企業共済

小規模企業共済の貸付制度は、自分が積み立ててきた掛金から融資を受けられる制度となっています。

独立行政法人中小機構が個人事業主や経営者を支援する目的で実施している制度であり、共済の解約をすることなく融資が受けられます。

そのため、貸付制度を利用していても退職もしくは廃業時の退職金は満額受け取れるのが特徴です。

自営業者は会社員と比べて金銭面が不安定になりやすいですが、小規模企業共済に加入していれば退職後だけではなく在職中も経済的なサポートをしてもらえます。

融資を受けられるのは事業資金のみであり、使用用途に合わせて7種類から選択できます。

融資を受けられるのは事業資金のみ!使用用途に合わせて審査なしで借りられる

事業資金

小規模企業共済の貸付制度で借りられるのは、基本的に事業資金のみとなります。

審査なしで融資を受けられますので、急な出費が必要な場合であっても確実に資金調達が可能です。

貸付は全部で7種類あり、借り入れ金の使用用途に合わせて以下のように分けられています。

使用用途
一般貸付事業資金全般
緊急経営安定貸付景気悪化などで一時的に売上が著しく減少した際の事業資金
傷病災害時貸付病気または災害などの被害に遭い、経営が困難になった場合の事業資金
創業転業時・新規事業展開等貸付新規事業を始める際の事業資金
事業承継貸付事業を引き継ぐために必要な事業用資産や株式等の購入費用
廃業準備貸付設備の処分費用、事業債務の清算など廃業する際に必要な費用
福祉対応貸付本人や家族を介護するために必要な住宅改造資金、福祉機器の購入資金

なかでも一般貸付は会社の経営状況や自分の健康状態を問わず、迅速に事業資金を借り入れできるのが特徴です。

事業資金を借りたいけど、どの貸付制度に申し込めばいいかわからない人は一般貸付を選びましょう

一方で、収入が減ったことにより生活費が足りなくて困っている個人事業主や経営者もいますよね。

生活費が不足している場合は、資金使途が自由な民間金融機関のカードローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

審査に通過する方法さえ知っておけば、収入が不安定な個人事業主であってもお金を借りられます。

個人事業主がカードローンの審査に通過する方法について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

小規模企業共済は貸付制度を利用しなくても、解約すると共済金として現金を受け取ることができます。

しかし加入期間が短い場合は受け取る金額がマイナスになるため、解約するのではなく貸付制度を利用するのが賢明です。

加入期間が20年未満の人は解約するより貸付を受けるほうがお得

計算

小規模企業共済の加入期間が20年未満の人は解約金が掛金総額を下回ってしまうため、解約するよりも貸付を受けるほうがお得です。

小規模企業共済の解約金は掛金総額の80%〜120%と定められており、加入期間によって支給率が以下のように分かれています。

加入期間支給率
1〜7年未満80%
7〜20年未満80〜99%
20年〜20年半100%
20年半以上100〜120%

加入期間が20年を超えると、解約金は掛金の満額もしくは20%上乗せして支給されます。

しかし加入期間が20年未満の場合は80〜99%となってしまい、満額受け取ることはできません

例えば毎月の掛金が2万円である場合の掛金総額と解約金は、以下の金額になります。

加入期間掛金総額解約金
1年24万円19万2,000円
2年48万円38万4,000円
4年96万円76万8,000円
5年120万円96〜118万円
8年192万円153〜190万円
10年240万円192〜237万円
15年360万円288〜356万円
18年432万円345〜427万円
19年456万円364〜451万円
20年480万円480〜576万円

19年で456万円の掛金を払っていても実際に受け取れるのは364〜451万円であり、場合によっては92万円も少なくなってしまう恐れがあります

小規模企業共済を解約すると老後の退職金も受け取れなくなってしまいますので、事業資金が必要になった場合は貸付制度の利用を検討しましょう。

貸付制度のデメリットは1年以上の加入期間が必要になること

カレンダー

小規模企業共済の貸付制度における唯一のデメリットは、1年以上の加入期間がないとお金を借りられないことです。

小規模企業共済の貸付制度は1年以上の加入期間があり、10万円以上の掛金を納付している人に申し込み資格があります。

貸付制度の申し込み資格に関しては、中小機構のホームページにも以下のように記載されています。

4月末日および10月末日)までに、12か月以上の掛金を納付していること。

引用元:「貸付制度の概要と資格要件」中小機構

注意すべき点は、1年以上の掛金を前納していても借り入れはできないということです。

小規模企業共済では、加入時に3ヶ月〜1年分の掛金を前納できます。

しかし1年以上の掛金を前納していても、加入期間を満たしていない人は残念ながら借り入れできません。

小規模企業共済は加入者の掛金を資金源として成り立っている制度であるため、長く加入している顧客に利益を還元する目的で低金利の貸付制度を実施しています。

加入して1年未満の人は小規模企業共済に対する貢献度が低いと判断され、申し込みできないのが実情です。

小規模企業共済への加入期間が1年未満で事業資金が必要な人は、民間金融機関のビジネスローンを検討してみてはいかがでしょうか。

ビジネスローンは事業者への融資に特化した商品であることから、創業1年目の経営者でも事業資金を借りられます。

民間金融機関のビジネスローンは審査が厳しいと思われがちですが、正しく選べば問題なく融資を受けられます。

審査が甘いビジネスローンについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

条件を満たしていない場合はビジネスローンを利用するのが賢明ですが、小規模企業共済の加入期間が1年以上の人は貸付制度を利用しましょう。

以下では管理人が実際に小規模企業共済の一般貸付に申し込んだ際の、融資を受けるまでの流れを解説していきます。

小規模企業共済の貸付制度の手続き方法は?実際に申し込んでみた

小規模企業共済

繰り返しになりますが、小規模企業共済の貸付制度は自分の積み立てた掛金を借り入れする仕組みであるため審査なしでお金を借りられます

実際に管理人が申し込んでみた結果、本当に審査なしで簡単に融資を受けられました

審査なしで事業資金を借りられるのは、事業者向けの融資制度のなかでも小規模企業共済の貸付制度のみです。

仮に他の金融機関で審査に落ちてしまった人でも、掛金を着実に積み立てていれば融資を受けられます。

とはいえ初めて小規模企業共済の貸付を利用する人は、具体的にどのような手続きがおこなわれるのか気になりますよね。

今回は、実際に管理人が小規模企業共済の一般貸付で借り入れした際の手順を紹介します。

  1. STEP

    商工中金の窓口に行って借り入れしたい旨を伝える

    一般貸付の受付をおこなっているのは、商工組合中央金庫です。

    小規模企業共済への加入手続きは提携金融機関からできますが、貸付を受けられるのは商工中金のみである点に注意してください。

    最寄りの支店窓口で貸付制度を利用したい旨を伝えると、すぐに必要書類の確認がおこなわれました。

    必要書類の確認が完了すると、貸付制度の内容について簡単な説明を受けます。

  2. STEP

    貸付金借入申込書に記入して窓口に提出

    担当者からの説明を聞いた後は、貸付金借入申込書を受け取ってその場で記入します

    申込書に記入する項目は共済契約者番号や住所氏名、借り入れ希望額などです。

    担当者に借り入れ金の使用用途を聞かれることもありますが、深く追及はされません

    管理人は運転資金に使うと一言で回答したところ、納得してもらえました。

    申込書は複写になっており、2枚目が契約書になっていますので持参した収入印紙を貼って提出しましょう。

  3. STEP

    借入金の受け取り

    申込書と必要書類を提出すると、担当者によって内容の確認がおこなわれます

    申し込み内容に不備がなければ、その場で借入金を受け取れます。

    管理人は手続きが完了するまでロビーで待機していましたが、申込書を提出してから15分ほどで窓口から現金を受け取れました。

    現金と一緒に契約書の控えも渡されますので、返済が終わるまで大切に保管しておきましょう。

小規模企業共済の一般貸付でお金を借りる手続きは、国の公的融資などと比べても非常に簡単に完了しました

他の金融機関で融資を受ける場合と違って、借り入れ金の使用用途について詳しく聞かれなかったため気負わず申し込めました。

ただし必要書類が揃っていないとその場で借り入れできなくなってしまいますので、来店する前に必ず確認しましょう。

申し込みに必要な書類や実印は忘れずに持参しよう

小規模企業共済

小規模企業共済の一般貸付を利用する際に最も重要なのは、必要書類や実印を揃えて来店することです。

小規模企業共済の貸付制度に審査はありませんが、借り入れの際に必要な持ち物が以下のようにいくつかあります。

内容
印鑑登録証明書発行後3ヶ月以内の原本
本人確認書類運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど
中小機構からの郵送物貸付限度額のお知らせ、借入資格取得通知書、共済手帳など
実印個人の実印。会社実印は不可
収入印紙希望額に応じて用意する

なかでも収入印紙は借り入れ金額によって価格が変わりますので、希望額に合わせて用意する必要があります。

収入印紙の価格は借入金額ごとに変わるので用意しておこう

一般貸付で融資を受ける際は、印紙税法に則って借り入れ金額に応じた収入印紙を契約書に貼らなければいけません

借り入れ金額ごとに必要な収入印紙の額は、以下のとおりです。

借入金額収入印紙の額
10万円200円
15〜50万円400円
55万円〜100万円1,000円
105万円〜500万円2,000円
505万円〜1,000万円1万円
1,005万円〜2,000万円2万円

200円の収入印紙はコンビニでも購入できますが、400円以上は郵便局のみの販売となります。

そのため15万円以上の借り入れを希望している場合は、郵便局であらかじめ印紙を購入しておきましょう

必要書類と実印が全て揃っていれば、その日のうちに現金が手元に入ります。

即日で融資が受けられるから緊急の資金にも対応できる

時計

小規模企業共済の一般貸付なら即日で融資が受けられるため、緊急の事業資金が必要になった場合にも対応できます

例えば取引先への支払い期限が迫っていたり、給料日までに従業員の給与が用意できなかったりといった事態にも備えられます。

管理人の場合は来店から融資を受けるまでにかかった時間は約50分であり、迅速に対応してもらえました。

借り入れ金を受け取る際は、窓口以外に口座振込も利用できます。

特に100万円単位の高額融資を受けた場合は、防犯面を考慮して口座振込を利用するのもひとつの手段です。

口座振込を選択すると、以下の手数料が差し引かれた金額が自分の口座に振り込まれます。

振込手数料
商工中金の口座宛880円
他行の口座宛990円

ただし借り入れ金額は減ってしまいますので、少しでも無駄な出費を減らしたい人は窓口で受け取るといいでしょう。

適用利率は1.5%だから銀行よりも低金利で借りられる

紙幣

小規模企業共済の一般貸付は、適用利率が一律1.5%と低く設定されています

銀行が取り扱っているビジネスローンと比べても低金利であることから、利息を抑えてお得に借り入れが可能です。

例えば一般貸付とジャパンネット銀行のビジネスローンで100万円を借り、12ヶ月で返済した場合の利息総額は以下のとおりです。

金利利息総額
一般貸付1.5%15,000円
ジャパンネット銀行ビジネスローン13.8%150,032円
差額135,032円

小規模企業共済の一般貸付とビジネスローンでは、同じ金額を借りても利息総額に13万円以上の差が生じます。

少しでも返済額を減らしたい人は、小規模企業共済の一般貸付を利用しましょう。

一般貸付の貸付限度額は2,000万円までとなっており、高額融資にも対応してもらえます。

貸付限度額は掛金の7〜9割で最高2,000万円まで借りられる

計算機

小規模企業共済の貸付限度額は、掛金の7〜9割となっています

掛金を積み立てていくほど限度額は高額になり、最大2,000万円まで借り入れ可能です。

限度額は中小機構から郵送される貸付限度額のお知らせというハガキに記載されていますが、おおまかな金額は以下の計算式で概算できます。

一般貸付の限度額=加入期間(ヶ月)×掛金×0.7〜0.9

例えば毎月7万円ずつ掛金を納付している場合の貸付限度額は、以下のとおりです。

加入期間掛金限度額(概算)
12ヶ月84万円50〜70万円
24ヶ月168万円100〜150万円
36ヶ月252万円170〜220万円
60ヶ月420万円290〜370万円
96ヶ月672万円470〜604万円
120ヶ月840万円580〜750万円
180ヶ月1260万円880〜1130万円
240ヶ月1680万円1170〜1510万円

基本的に貸付限度額の範囲であれば、5万円単位で融資を受けられます

注意すべき点は、借入時に受け取れるのは希望額から利息を差し引いた金額であるということです。

小規模企業共済の貸付制度は、借り入れと同時に利息を前払いする仕組みになっています。

前払いする利息額は、返済期間によって以下のように定められています。

返済期間前払いする利息額
6ヶ月6ヶ月分の利息
12ヶ月1年分の利息
24ヶ月以上6ヶ月分の利息

この仕組みを踏まえたうえで、あなたが借入時に受け取れる金額をシミュレーションしましたので参考にしてください。

一般貸付で実際に受け取れる金額をシミュレーション

計算

小規模企業共済の一般貸付で実際に受け取れる金額は、返済期間と借り入れ金額によって異なります

返済期間と借り入れ金額ごとに、実際に受け取れる金額をシミュレーションしました。

返済期間が12ヶ月の場合に受け取れる金額は、以下のようになっています。

借入額利息総額実際に受け取れる金額
10万円1,500円9万8,500円
20万円3,000円19万7,000円
30万円4,500円29万5,500円
50万円7,500円49万2,500円
80万円1万2,000円78万8,000円
100万円1万5,000円98万5,000円
150万円2万2,500円147万7,500円
200万円3万円197万円
300万円4万5,000円295万5,000円
500万円7万5,000円492万5,000円
1,000万円15万円985万円
1,500万円22万5,000円1,477万5,000円
2,000万円30万円1,970万円

返済期間が12ヶ月の場合は、借入時に1年分の利息をまとめて支払います

利息を支払うと上記のように手元に入るお金が少し減りますので、取引先への支払金など必要額が明確に決まっている場合は少し多めに借り入れしましょう。

続いて、返済期間が24ヶ月以上の場合に受け取れる金額は以下の通りです。

借入額利息総額実際に受け取れる金額
105万円7,875円104万円2,125円
150万円1万1,250円148万8,750円
200万円1万5,000円198万5,000円
300万円2万2,500円297万7,500円
400万円3万円397万円
500万円3万7,500円496万2,500円
600万円4万5,000円595万5,000円
700万円5万2,500円694万7,500円
800万円6万円794万円
900万円6万7,500円893万2,500円
1,000万円7万5,000円992万5,000円
1,200万円9万円1,191万円
1,500万円11万2,500円1,477万5,000円
2,000万円25万円1,985万円

返済期間が24ヶ月以上の場合に前払いするのは、6ヶ月分の利息です。

残りの利息は、元金を返済するタイミングで同時に支払う流れになります。

シミュレーションの結果からもわかるように一般貸付の利息は少額であり、他の金融機関で借りるよりも断然お得です。

加えて小規模企業共済の貸付制度は担保も保証人もなしで借り入れできるため、申し込みやすくなっています。

無担保無保証人で借り入れできるので申し込みやすい

小規模企業共済の貸付制度は、無担保無保証人で借りられる利点があります

中小機構は小規模事業者への支援を目的として運営している組織であることから、少しでも事業者が借り入れしやすいように担保や保証人なしで貸付をおこなっています。

中小機構は、地方自治体や地域の支援機関、他の政府系機関と連携しながら、中小企業者の多岐にわたる課題解決や事業基盤の強化、成長に向けた取り組みをサポートしています。

引用元: 中小機構

民間金融機関で事業資金を借り入れする際には、担保や保証人が必要になるケースがほとんどです。

担保や保証人が不要であったとしても10.0%以上の金利が設定されるため、返済の負担が重くなってしまいます。

小規模企業共済の貸付なら、無担保無保証人なうえに1.5%という低金利で事業資金を調達できます。

融資を受けた後には、帳簿上の仕訳を忘れずにおこないましょう。

融資を受けた後は借入金と支払利息に分けて仕訳をしよう

仕訳

小規模企業共済の貸付制度を利用した場合は、借入金と支払利息に分けて仕訳をする必要があります

事業資金を借り入れした場合の借入金と利息は、会計上の処理が異なるからです。

経費に計上できるのは利息のみであり、元本は含まれないため区別して仕訳をしましょう。

例えば500万円を借りて利息が7万5,000円だった場合の仕訳方法は、以下のとおりです。

借方貸方
借入金 4,925,000普通預金 5,000,000
支払利息 75,000

小規模企業共済の貸付制度では融資を受ける際に6ヶ月もしくは1年分の利息を先払いしますので、実際に受け取った借入金と利息額を分けて記入します。

利息を先払いすることから、返済時は借方に借入金と貸方に普通預金という形で簡単に仕訳できます

上記の例で500万円を一括返済する場合の仕訳方法は、以下のようになっています。

借方貸方
借入金 4,925,000普通預金 4,925,000

分割払いをする場合は6ヶ月ごとに利息を支払いますので、借り入れ時と同様に借入金と利息額に分けて仕訳をすれば問題ありません

誤って利息と元本を同じ科目で仕訳しないように、充分気をつけましょう。

仕訳以外にも忘れてはいけないのは、借り入れ金を遅れずに返済することです。

小規模企業共済の貸付はあくまで借り入れという形を取っていますので、返済の義務があります。

返済方法は一括と分割払いの2種類となっており、借り入れ期間によって変動します。

返済方法は一括と分割払いの2種類!借入期間の長さによって変わる

カレンダー

小規模企業共済の一般貸付では、借り入れ期間の長さによって返済方法が変わります

借り入れ期間が6ヶ月または12ヶ月なら一括返済となり、それ以上の場合は分割払いとなります。

一般貸付の借り入れ期間は、融資を受けた金額によって以下のなかから選択することが可能です。

借入金額借入期間
5〜100万円6ヶ月、12ヶ月
105〜300万円6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月
305〜500万円6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月
505〜2,000万円6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、60ヶ月

借り入れ金額が100万円以下の場合は6ヶ月または12ヶ月で一括返済と決められていますが、105万円以上であれば分割払いも選べます。

ただし融資を受けた金額が105万円以上であっても、12ヶ月までの借り入れ期間を選ぶと自動的に一括返済になりますので覚えておきましょう。

返済は口座引き落としではなく、返済日当日に商工中金の指定口座に振り込む形を取ります。

返済日当日に商工中金の指定口座に振り込もう

返済方法

一般貸付の返済は、返済日当日に商工中金の指定口座に振り込むのが一般的です。

一般貸付の返済日は、返済期限の2週間ほど前に中小機構から郵送されるハガキに記載されています。

分割返済の場合も毎回ハガキで知らせてもらえますので、返済忘れの恐れがなく安心ですね。

一般貸付の返済をする際の具体的な手順は、以下のようになっています。

  1. 午前中に最寄りの銀行に行く
  2. 振込依頼書に振込先、口座番号、受取人、必要事項を記入する
  3. 窓口で振込をおこなう
  4. 指定口座の支店に電話をかけて返済金を振り込んだ旨を伝える

返済をする際の最も重要なポイントは、午前中に振り込むことです。

振り込み時間が遅くなると翌日扱いになってしまい、延滞金が発生するリスクがありますので必ず午前中に振り込みましょう。

振込後は支店に電話をかけて、返済金を振り込んだ旨を伝えれば手続きが完了します。

返済期日までに現金が用意できない場合でも、利息を新たに払えば返済期間を延長できます。

返済できなくなったら利息を払って借り換えしよう

申し込み

小規模企業共済の一般貸付で返済できなくなった場合は、利息を払って借り換えをしましょう

一般貸付の借り換えとは、借りたお金を返済せずに契約の更新手続きをおこなうことを指します。

一般貸付で借り換えをする際の具体的な手続き方法は、以下のとおりです。

  1. 商工中金の窓口で借り換えをしたい旨を伝える
  2. 最初に融資を受けた時と申し込み用紙に必要事項を記入する
  3. 借り入れ残高の利息を支払う

商工中金の窓口で借り換えを希望する旨を伝え、現在の借り入れ残高に応じた利息を再度支払うと返済期間を延長できます。

管理人が借り換えをした際は、来店から25分ほどで全ての手続きが完了しました。

初回契約時と同様に、借り換えの際も理由は詳しく聞かれませんでした。

以下の持ち物が全て揃っていれば、スムーズに手続きが終わります。

  • 実印
  • 発行から3ヶ月以内の印鑑証明書
  • 利息分の現金
  • 共済契約者番号と氏名が印字された中小機構からの郵送物

返済できなくなった場合に最も避けたい対応は、無断で返済を滞納することです。

無断で12ヶ月以上返済を滞納すると、強制的に小規模企業共済が解約されてしまう恐れがありますので早めに中小機構の担当者に相談しましょう

正直に現在の経営状況などを話せば、解決方法を考えてもらえます。

どうしても資金繰りに困った場合は、掛金の減額を担当者に依頼するのもひとつの手段です。

資金繰りに困ったら掛金の減額を依頼するのもひとつの手段

掛金

資金繰りに困ったら、小規模企業共済の担当者に掛金の減額を依頼するのもひとつの手段です。

経営が悪化しているなどの事情を担当者に詳しく話せば、掛金の減額を認めてもらえます。

掛金の減額が認められる旨に関しては、中小企業庁のホームページにも以下のように記載されています。

掛金は増額・減額ができます。(減額には事業経営の著しい悪化等の一定の要件が必要です。)

小規模企業共済の掛金は、500円単位で1,000〜7万円まで自由に変更できます

例えば7万円から1,000円に掛金を減額すれば6万9,000円の節約になり、年間82万8,000円を捻出できます。

それでも掛金の支払いが苦しい場合は、担当者に相談すると一時的に半年から1年ほど納付を待ってもらえます。

資金面で困った場合はひとりで悩まず、必ず中小機構の担当者に相談しましょう。

後藤 文彦

後藤 文彦

2002年に京都大学経済学部を卒業後、某大手銀行に入行。カードローンなどの融資業務を約10年担当した。経理部に異動し、決算業務に従事したことをきっかけにFPの資格を取得。得意分野は個人の家計相談と事業者向けの経営相談。

カテゴリー:
関連記事